矯正治療のご案内

 みんなの前で笑いたいけど歯並びが悪くて笑えない、そんな悩みを持っている方も多いかと思います。

 あまり、気にしなくても良いような人もいれば、うまくかめない人もいて、悩みの状況はかなり開きがあります。

 そんな不安をあおり?小さいときから装置をつけて苦痛となったり、無意味な矯正をして逆に悪くしてしまっている方も拝見します。まずは正しい診断をしてもらうことが大事です。

  歯並びが悪いのには、歯の並び方自体に問題がある場合と、歯を支えているあごの方に問題がある場合とがあります。
 歯自体の問題がある場合は、あごの大きさに比較して歯のほうが大きくて、うまく歯があごの中に並びきらない場合がほとんどです。従ってその治療は、歯を抜く事によって、歯の入るスペースを作り、そこに歯を押し込んでいく治療となります。
 抜く歯は小臼歯と呼ばれる犬歯の隣の歯の場合が多いのですが、その状態によって他の歯の場合もあります。その抜いたスペースに歯を押し込んでいくのですが、早く動かそうとすれば、骨の改造が間に合わずトラブルの原因になりますので、ゆっくり骨の改造にあわせて行います。このため、矯正の治療時間はどうしても長くなります。
 また、子供の乳歯から永久歯へ生え変わる時期に、すでに歯並びの悪くなる事が予想できたなら、早期に連続して歯を抜いていく連続抜歯という方法があります。早期に抜かれて空いたスペースに、後から生えて来る永久歯がちょうどその場所に移動してはえてきますので、後の金具をつけて行う期間が短くてすみます。

 一般的な矯正は歯にブラケットという金属製あるいは歯と同じ色の装置をつけて、そこに金属線を通して、その復元力によって歯を動かしていくものです。大体1ヶ月に一度金属線を調整します。その期間は動かす歯の移動量、年齢等によって変わっていきますが、概ね1から2年間ぐらいです。ただその後も放置しますと後戻りといって元の状態に歯が戻っていってしまいますので、リテーナーという後戻りを防ぐための装置を同じ期間程度つけてもらうことになります。

 また、クリアライナーという透明な可徹式の歯にはめ込むような装置を使って治す方法も行っています。この方法ですと歯に常時ついてる装置がなく、透明な樹脂ですのでつけててもほとんどわからず、審美的に優れており、食事やいざというときにははずしておくことも可能で、他の人にわからないまま矯正をすることが出来ます。
 この方法では1ヶ月に一度程度新しいしい総理に変えて、一日17時間以上入れることが必要になります。それによって治療時間が長くなることもあります。また、使用範囲としては歯を抜いての矯正にはまだ応用できませんので、全ての症例に使えるわけではなく、診断の結果によります。

 お口の中の健康を考えると見た目の美しさ以上にかみ合わせが重要です。きれいに治ったように見えてもかみ合わせが悪くては、あごまで痛くなってきます。したがって、奥歯のかみ合わせが良好な場合はなるべくその状態を壊さないよう、注意深く行っていきますし、元々かみ合わせが悪く、矯正治療により、もっと悪化すると思われる場合は、矯正治療を勧めないか、大学病院へお願いする場合もあります。
 歯を支えるあご自体に問題があって、歯並びが悪くなっている場合は、あご自体の大きさや、突出の仕方を変えなくてはなりません。このばあいも、大学病院で治療を行いますが、最近では比較的簡単に行えるようになり、あごの突出が目立ってくるのが悩みやすい年頃のせいもあって、治療後にはほとんどの人が大変喜びます。

 いずれにせよ、矯正治療といってもその症状によって、治療の仕方もかなり変わってきますので、よく診察や検査をした後に、十分話し合いをして、最も良い方法を選択していくことが大事です。